Q.高温になるとグリスはどうなる?固着?劣化?焼き付き?
高温環境でグリスを使用すると、
「固着する」「劣化する」「焼き付く」など、
さまざまなトラブルが起きると聞きます。
実際には、グリスは高温でどうなるのでしょうか?
A.高温下では、使用条件によって起きる現象が異なります。
一言で「劣化」とまとめられがちですが、実際には主に
3つの状態に分かれます。
🔍 高温で起きる3つの状態
① グリスが「流れる(ダレる)」
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基油が先に軟化・流動
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増ちょう剤が構造を保てなくなる
👉
・グリスが垂れる
・必要な場所からいなくなる
・潤滑不足につながる
※ 耐熱温度内でも起きるのがポイント
② グリスが「固着・ゲル化する」
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高温酸化
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基油の揮発・分解
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増ちょう剤だけが残留
👉
・動きが渋くなる
・白っぽい、茶色い残渣が残る
・再給脂しても回復しないことがある
これは
**「潤滑していない」のではなく
「動きを妨げている状態」**です。
③ 焼き付きが起きる
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グリスが流出 or 劣化
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金属同士が直接接触
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高温+荷重+摺動が重なる
👉
・異音
・摩耗の急激な進行
・部品交換が必要になるケースも
焼き付きは“結果”であり、原因はその前段階にあることがほとんどです。
❌ よくある誤解
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「高温用グリスなら焼き付かない」
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「耐熱温度を守っていれば問題ない」
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「固着=グリスが硬すぎる」
👉 実際には
温度 × 動き × 使用時間の組み合わせで
結果が大きく変わります。
✅ エムアンドエムの考え方
当社では、高温環境向けグリスについて次の点を重視しています。
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高温時に流れすぎない
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劣化しても脆弱な残渣になりやすい
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再給脂・清掃がしやすい
つまり
👉 **「焼き付かせない」だけでなく
「トラブル後の復旧性」**も重要だと考えています。
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