❓なぜ高温になると焼付きや動きの渋さが起きるのか?
第1弾では、
**「高温でグリスが流れてしまう原因」**について解説しました。
今回はその続きとして、
グリスが流れた“その後”、金型の中で何が起きているのかを整理します。
🔥 原因は「潤滑被膜が残っていない」こと
焼付きは、突然発生するトラブルではありません。
高温環境下では、
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グリス中の油分が分離する
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可動部に潤滑成分が残りにくくなる
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金属同士が直接触れやすくなる
という状態が、少しずつ進行します。
その結果、
動きの渋さ → 摩耗 → 焼付きという流れでトラブルが顕在化します。
🏭 ダイカスト金型は「途中で止められない」
ダイカスト金型の可動部は、
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高温のまま連続稼働
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再塗布のタイミングが限られる
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局所的に大きな負荷がかかる
といった特徴があります。
そのため、
一時的に効くグリスでは対応しきれず、高温下でも潤滑被膜を維持できるかどうかが重要になります。
⚠ 焼付き=グリス不足、ではありません
焼付きが起きると
「塗布量が足りなかったのでは?」
と考えがちですが、
実際には
塗っていても潤滑状態が保てていない
ケースが多く見られます。
重要なのは、高温環境でも金属表面に潤滑被膜を残せるかという点です。
🟡 ゴールデングリスが重視しているポイント
ゴールデングリスは、
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高温でも潤滑被膜が残りやすい
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金属同士の直接接触を抑える
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焼付き・摩耗の進行を抑制
といった点を重視し、
ダイカスト金型の可動部用途を前提に設計されています。
🔍 こんな症状が出ていませんか?
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動きが徐々に渋くなる
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金属音が出始める
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一部の可動部だけ摩耗が進む
👉 それは 焼付きの初期サイン かもしれません。
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高温環境におけるグリストラブルの全体像がつかめます。


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