金型トラブルは、グリスと部品・使用条件を合わせて確認
ダイカスト金型や射出成形金型では、以下のようなトラブルが発生することがあります。
・成形品に油汚れが付着する
・金型内部にグリスがにじみ出る
・エジェクタピンの動きが悪くなる
・焼き付きやかじりが発生する
これらの原因の一つが、潤滑剤(グリス)の選定ミスです。
👉 金型トラブルを防ぐ潤滑技術はこちら
▶金型専用フッ素グリスとは?精密部品の潤滑に
🔵焼き付き対策はショット管理から|CVPL-200を見る
よくあるトラブル① グリスのにじみ(油分分離)
高温環境では、グリスの基油が分離し、金型表面や成形品ににじみ出ることがあります。
この現象は
・油分分離
・ブリード
と呼ばれます。

👉にじみの原因は?
成形品の油汚れはなぜ起きる?金型グリスによる汚染の原因と対策を解説
■ 問題点
・成形品の外観不良
・二次加工不良(塗装・接着)
・金型汚れの増加
👉 高温でグリスが流れる原因はこちら
▶高温になるとなぜグリスは流れてしまう?
よくあるトラブル② 成形品の汚染
グリスがにじむことで、製品に油分が付着するケースがあります。
特に
・樹脂製品
・外観部品
・精密部品
では大きな問題となります。
よくあるトラブル③ 焼き付き・動作不良
潤滑不足やグリス劣化により
・エジェクタピンの戻り不良
・スライドコアの動作不良
・焼き付き
が発生します。
👉 焼き付きの原因はこちら
▶なぜ高温になると焼付きや動きの渋さが起きるのか?
なぜこうしたトラブルが起きるのか
金型は
・高温(150〜250℃以上)
・微小クリアランス
・繰返し動作
という特殊環境で使用されます。
一般グリスでは
・流れる
・にじむ
・硬化する
といった問題が発生しやすくなります。
👉 温度トラブルは“接続部”にも注意が必要です
▶金型の冷却・加熱は、どこで支えられている?
対策の候補:用途に合うフッ素グリス
こうしたトラブルを防ぐために有効なのが、
フッ素グリスです。
フッ素グリスは
・低蒸発でにじみにくい
・耐薬品性が高い
・高温でも安定
・低摩擦で焼き付き防止
といった特性を持ちます。
金型専用フッ素グリスの重要性
ただし、フッ素グリスであれば何でも良いわけではありません。
金型用途では
・ちょう度 ▶ グリースの「ちょう度」とは?
・塗布性
・流れにくさ
などのバランスが重要です。
🔵金型専用フッ素グリスはこちら
他のグリスとの使い分け
潤滑剤は用途ごとに使い分ける必要があります。
・高荷重 → ▶モリブデン
・接点 → 接点グリス
・ダイカストの焼き付きに → ▶ゴールデングリス
👉 金型用途別グリス一覧はこちら
▶用途から探す|金型グリース・温調水口継手の製品選定ガイド
まとめ
金型トラブルでは、潤滑剤の選定と、部品状態・給脂・温度条件を合わせて見直すことが重要です。
特に
・にじみ(油分分離)
・製品汚染
・焼き付き
といった問題は、適切なグリスを選ぶことで改善可能です。
そのためには、用途に応じてフッ素グリスや専用グリスを選定することが重要です。
にじみ・汚れ・焼き付きの確認順序
同じ金型でも、にじみと焼き付きでは確認する項目が異なります。潤滑剤の変更だけで結論を出さず、塗布量・給脂間隔・部品状態を一項目ずつ比較しましょう。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 成形品に油汚れ | 付着位置、塗布箇所からの移行経路、塗布量 |
| ピン周辺からにじむ | 実温度、運転時間、清掃前後の状態 |
| 戻りが悪い・焼き付く | 傷・異物・部品の当たり、給脂間隔、荷重 |
| 改善を評価する | 一度に条件を変えず、同じショット数で写真と動きを比較 |
にじみには、硬いグリスを選べば解決しますか?
硬さだけでは判断できません。塗布量や温度、油分分離、部品の動作条件も関係します。硬さを変えたことで動きが重くならないかも、実機条件で確認してください。
金型のにじみ・汚れ・焼き付きを相談する
用途に応じて、製品仕様を確認してください。
不具合の写真、部位、実温度、ショット数、現行グリス、塗布量と給脂間隔をお知らせください。症状別に候補と評価の進め方を整理します。
製品選定や用途に応じたご提案は、経験豊富なスタッフにお任せください。サンプルのご請求・技術相談・お見積り依頼などもお気軽にどうぞ。
型番が分からない場合や選定のご相談など、LINEからお気軽にお問い合わせいただけます。写真を送っていただければ、適合確認やトラブルのご相談にも対応可能です。




