— 金型メンテナンスに欠かせない基礎知識 —
グリースを選ぶ際によく登場する指標が 「ちょう度(NLGIグレード)」 です。
これはグリースの“硬さ”を示す数値で、使用する箇所の負荷・温度・すき間に合わせた選定に欠かせません。

グリースのちょうどとは?
■ ちょう度(NLGI)= グリースの硬さを示す指標
ちょう度は、アメリカ潤滑協会(NLGI)が定める国際基準で、
000 ~ 6 の 9段階に分類されます。
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数字が小さい → 柔らかいグリース(液状に近い)
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数字が大きい → 硬いグリース(ペースト状に近い)
■ よく使われる一般的なちょう度
金型・機械・メンテナンス分野では、主に以下のちょう度が利用されます。
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NLGI No.0: 流動性が高く、狭いすき間・低温環境に
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NLGI No.1: 柔らかめで、軽負荷・高速摺動部に
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NLGI No.2: 汎用的で、最も一般的な“標準の硬さ”
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NLGI No.3: 硬めで、高温や振動の大きい箇所に
エムアンドエム製品では、
M-MLPT(フッ素グリース)は NLGI No.2、
ゴールデングリスは専用設計の高密着タイプ(No.1相当)
として設計されています。
■ なぜちょう度選びが重要なのか?
グリースの硬さは以下の性能に直結します。
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滲み出し(油ダレ)のしやすさ
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スライド部の摺動抵抗
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高温時の保持性
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密着性・飛散しにくさ
例えば、
「同じNLGI No.2でも基油粘度によって滲みにくさが大きく変わる」
というお問い合わせを頂くことがあります。
→ ちょう度と基油粘度の両方を見て選ぶことが大切です。
■ 金型でのちょう度選びの例
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エジェクターピン・精密摺動部:
→ 柔らかめ(No.1〜2)+高粘度基油が最適 -
高温のスライドコア:
→ No.2〜3相当で、高耐熱・高密着のタイプ -
油ダレを嫌う透明成形:
→ No.2+低蒸発・高粘度系が効果的
■ まとめ:ちょう度は「適材適所」が重要
ちょう度はただの“硬さ”ではなく、
使用環境・負荷・温度・材料汚れに影響する重要パラメータです。
エムアンドエムでは、用途に応じたグリース選定のご相談を承っています。
**「どれを選べばよいかわからない…」**という場合も、お気軽にお問い合わせください。


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