■ 導電性グリースと接点グリースは何が違うのか?
電装トラブル対策として使われるグリースには
「導電性グリース」と「接点グリース」があります。
一見似ていますが、この2つは役割がまったく異なります。
電装系のグリースには種類があり、
今回のような接点用途以外にも、
高温環境で使用されるグリースなど用途によって使い分けが重要です。
■ 導電性グリースとは
導電性グリースは
グリース自体が電気を通すことが特徴です。
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■ 主な用途
・アースポイント
・センサー接点
・通電が必要な接触部
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▶【Q&A】 M-ELC 導電性カーボングリスの用途は?
■ 特徴
・接触抵抗を低減
・電気の流れを安定させる
・カーボンなど導電材を含有
■ 接点グリースとは
接点グリースは
電気を通すためではなく、接点を保護するグリースです。
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▶接点グリスとは?接点不良を防ぐ潤滑剤の役割と用途を解説
■ 主な用途
・コネクタ
・スイッチ
・端子の防錆
■ 特徴
・酸化防止
・防水・防湿
・接触不良の予防
■ 違いを整理
| 項目 | 導電性グリース | 接点グリース |
|---|---|---|
| 通電性 | あり | 基本なし |
| 目的 | 電気を流す | 接点保護 |
| 主成分 | カーボン等 | シリコン・油系 |
| 主な用途 | アース・通電部 | コネクタ・防錆 |
■ 導電性グリースの正しい使い方
■ 使用手順
① 接触面の汚れ・酸化膜を除去する
② 端子・接点をしっかり接触させる(先に固定)
③ 接触部に薄く塗布する
■ ポイント
・接触させてから塗る
・厚塗りしない
・はみ出しはショートの原因になる
■ 接点グリースの正しい使い方
接点グリースは保護が目的のため、塗布タイミングが異なります。
■ 使用手順
① 接点部の汚れ・水分を除去する
② 接点部に薄く塗布する
③ コネクタを接続する
■ ポイント
・塗ってから接続する
・薄く均一に塗る
・防水・防湿効果を持たせる
🔵接点グリースは防錆や保護が目的ですが、
より過酷な環境では、にじみにくく耐久性の高いグリースが求められることもあります。
▶フッ素系グリースの特徴についてはこちら
■ 接点グリースで接触抵抗は上がるのか?
結論として、正しく使えば接触抵抗は上がりません。
接点は金属同士が完全に面で接触しているわけではなく、
微小な接触点で通電しています。
接点グリースは
・接触部分 → 金属同士が直接接触
・それ以外 → グリスが保護
という状態を作るため、
通電自体を妨げるものではありません。
■ 接触抵抗が上がるケース
・グリスの塗りすぎ
・接触圧不足
・汚れの上から塗布
・用途の間違い
■ 取付トルクも重要なポイント
接点グリースを使用する際は、
取付トルク(締結力)も重要です。
接点は金属同士がしっかり圧着されることで
安定した通電が確保されます。
■ トルク不足の場合
・接触圧が弱い
・グリスが押し出されない
・接触抵抗が増加する
■ 適正トルクの場合
・金属同士が確実に接触
・グリスは隙間に広がる
・接触状態が安定する
グリスだけでなく、締結状態が重要です
■ よくあるトラブル
・接触不良が改善しない
・電装部品の誤作動
・腐食やサビの進行
これらの多くは
グリースの選定ミスや使い方の誤りによるものです。
■ 選び方のポイント
・電気を流したい → 導電性グリース
・接点を保護したい → 接点グリース
■ まとめ
導電性グリースと接点グリースは似ているようで、
役割は大きく異なります。
・導電性グリースは「通電させる」
・接点グリースは「接点を保護する」
さらに
・正しい塗布方法
・適正な取付トルク
これらを守ることで、
接触トラブルを防ぐことができます。
🔵用途によっては、接点グリースや導電性グリースではなく、
高温対応や耐久性を重視したグリースを選定する必要があります。
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